
動機とか
下の記事で紹介したAlunar M508 (RepRap Prusa i3)を使って色々作ってます。
https://blog.haborite.com/posts/76
が、だんだん気になってきたのがその動作音。おそろしくうるさい訳では無いのだが、6畳ワンルームに住む身ととしては、夜中にウィーンとかピロピロピロ…とか延々鳴らされるのは正直キツイ。3Dプリンターの音の主原因はステッピングモーターの駆動音(X軸とY軸)であり、TMC2100というモータードライバを使うのがこの問題の定番の解決法。

なんでも、Rampsボード上に取り付けられたモータードライバを交換するだけで、モーター駆動音がほとんど無音になるとか。
ところが我がAlunar M508は、廉価系RepRapプリンターの例に漏れず、コストダウンのためにメインボードがプリンター専用の一体型となっており、モータードライバの交換は出来ない。

仕方がないので、一からメインボードのパーツを集めて改造することにした。
必要なパーツ
必要になったのは以下のパーツ。合わせて4000円弱くらいで準備した。
- Arduino Mega 2560 (or その互換品)
メインボードの大元となるArduino。互換品なら1000円弱くらいで買える。
- Ramps 1.4
RepRapのためのArduinoシールド。500~1500円くらい。
- 3D Printer Smart Controller Connector Adapter For RAMPS 1.4
忘れがち。というか私は忘れた。100円で買ったら台湾から送料無料で送られてきてビビった。
- 普通のモータードライバ(A4988など)× 2
Z軸・E軸用。これらの軸は騒音には寄与しないので、普通のモータードライバでok。1つ200円くらい。
- TMC2100 driver × 2
今回のメイン。X軸・Y軸用に2つ購入。一つ1000円くらい。
3Dプリンター関連全般に言えることだが、とにかく買う場所によって値段がびっくりするくらい異なる。Banggoodとかebayのような海外通販で3Dプリンターセットとして売られているものを買うと安いと思う。
[追記]使ったことは無いけれど、ここも安いみたい。しかも国内。
組み立て
Alunar M508のメインボードを外して、Arduino Mega 2560 + Ramps 1.4に付け替える。配線方法はここらあたりを参考にしたDescription for Arduino 2560 with RAMPS 1.4 | Technical descriptions | Documentations | my home fab。

Z軸モーター・温度センサー・接触センサー等はもとのコネクターのスリーブが邪魔なので、取ってやる。
TMC2100は普通のモータードライバとは回転方向が逆なので、モーターのコネクターの向きも逆にすること。また、Alunar M508のメインボードは、主電源とヒートベッド用電源が一体化されているが、Ramps1.4ではそれぞれ別系統なので、電源コードを一本追加する必要がある。
他でも書かれているが、TMC2100取り付けの注意点は3点。
- 足を半田付けする向きを間違えない。
- 静音化モードを有効化するためにCFG1とCFG2の足を折る。
- ドライバの取付方向を間違えない。
ファームウェアの書き込み
3Dプリンターとして動かすために、Arduino Megaにファームウェアを書き込む。純正Marlinを使っても良いのだが、パラメータを設定するのが面倒なので、Alunar M508用に設定されたファームウェア(購入時に付属のSDカード内に保存されている)を使った。
ファームウェアの書き込み手順が書いたpdfもSDカード内に入っているため、それに従えばok。手順と言っても、Ardiuno IDEでMarlinファイルを開いて書き込むだけだが。

コンパイル・書き込み時にはArduino IDE1.5.4(同様にSDカード内に同包されている)を使うこと。最新バージョンのArduino IDEではコンパイル時にエラーを吐いてしまう。
また、私のようにArduino Megaの互換品を使う場合は、別途ドライバのインストールが必要。私が購入したのはCH340/CH341系のボードだったので、CH341SER.ZIP下载页面-江苏沁恒股份有限公司からドライバーをダウンロードして使った。
結果
モーター駆動に関しては本当に無音。結構感動します。比較用の動画を撮っておけば良かったな。でも今度はビビリ音やファン音が気になってくる罠・・・。 TMC2100の持病である脱調問題に関しては現在調整中。電圧の調整 + 冷却の工夫でなんとかなるかな?といったところ。